2010年09月30日

5M大作戦 〜塵も積もれば山となる〜

みなさん、こんにちは。
三重県伊勢市にある個別指導学習教室『エムジェック』塾長の真鍋です。

私のように歳をとってくると『時間』の大切さをよく感じるんですね。

ということで時間の有効な使い方について少しアドバイスさせてもらいます。今回は勉強に関して話をしますが、勉強に限らずスポーツの練習やピアノの練習なんかにも応用できますから色々な場面で参考にしてもらえたら嬉しいです。


みなさんが1人で勉強をしているとき「終わる」タイミングを何で決めていますか?

・きりの良い時間になったから  
・やると決めていた内容ができたから 
・見たいテレビが始まるから
・電話がかかってきたから
・眠気がおそってきたから 

理由は色々あるかもしれませんが、あまり深く考えずに終了していませんか?

それはそれでかまいません。勉強を終える理由の話ではありませんから。

みなさんにオススメするのは「このへんでやめよう」と思ったときに『もうあと1つ!』やってから終わりにする習慣作りです。

名づけて【5M大作戦】 “5M”は5分(minute)の意味です。

「もう今日の勉強はおしまい」と思ったとき、さらにあと1つだけ5分程度でできる+αをやってから終わりにしようということです。

“あと1つ”の内容は何でもい〜んです。(←川平慈英 風)
自分が得意なことでも苦手にしているものでもい〜んです。

そこで勉強をやめていたことを思えば内容にかかわらずやったぶんだけプラス(=お得)でしょ。欲張らず5分程度で終わるものにしましょう。新しい問題に手をつけるのではなく、その日に勉強したことのなかから選べばいいです。英語を勉強した日であれば書けなかった単語を1つでも2つでも完璧に覚えるとか、数学をしたのであれば間違えた計算問題をもう一度やってみるとか。5分間教科書を音読するのも効果的です。

集中して勉強を続けられ時間は個人差があります。1時間できる中学生もいれば20分が限界という高校生もいるでしょう。でも、5分間なら大丈夫。しかも“これで終わり”ですからさらに頑張りやすくなります。集中してできる最後のひとふんばり。これを積み重ねていけばきっと基礎学力のUPに大きな効果があるはず。たかが5分、されど5分です。

もう少し話を発展させましょう。私の塾は一斉指導でないため、授業の終了時刻が決まっていても実際に学習を終える時刻は生徒によってばらつきます。子どもたちの様子を見ていると、いつも早めに終わろうとする子もいれば反対に長めにやっていく子もいます。

終了時刻が近づいてくると時計を気にしだし、5分前になると勉強を打ち切って片付けを始める生徒がいます。2時間のなかの5分くらい早くやめても大したことはないと考えているのかもしれません。

とんでもありません。このようにしていつも5分短く終わってしまう生徒と、予定時刻より「もうあと5分」多く頑張る生徒とでは1回の授業につきプラスマイナス合わせて10分間の差ができます。これを毎回繰り返せば週に3回で30分間、1ヶ月で120分間。わずか5分の時間をどう使うかによって毎月2時間もの差がつく結果になるわけです。

もしも自宅や塾で毎日勉強している子が1年間この【5M大作戦】を続けられたら
5分間×365日=1825分間 ⇒ 約30時間
30時間もの勉強時間が増えることになるんです。クゥ〜!(←川平 風)
どうですか、たった5分の心がけでスゴイでしょ。


「継続は力なり」そして「チリも積もれば山となる」ですからね。


これから勉強をするとき、いや勉強を終わりにするとき、ぜひ【5M大作戦】を実行し、成績アップ、学力アップにつなげてほしいと思います。

最後まで読んでくれてありがとう。負けるな!
posted by 100人の塾長 at 22:26| 全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月28日

記憶について考える

みなさん、こんにちは。佐賀市の学力向上会という学習塾の塾長、黒木です。


勉強には必ず「覚える」という作業が入ってきますよね。
確かに覚えたはずなのに、テストのときに出てこない…こんな経験はありませんか?

実はこの記憶には3種類に分けられるのです。
これを知っておくと自分が本当にテストに役立つ記憶ができているのかを知ることができます。お得ですよ!!


まず、ちょっと難しい話ですが、人間の記憶には複数の「記憶システム」があると考えられているそうです。そして、それぞれ記憶できる情報量と保持時間の長さに違いがあります。

保持時間の短いもの(忘れやすいもの)から順に
1「感覚記憶」
2「短期記憶(作動記憶)」
3「長期記憶」とよばれています。

4長期記憶までいけば、テストに使える記憶になるのです。


では最初の1の「感覚記憶」から・・・・・

勉強における感覚器の中心は「視覚」「聴覚」です。この感覚記憶の保持時間はきわめて短く、視覚情報は数百ミリ秒(1000ミリ秒が1秒)、聴覚情報は数秒だといわれています。
だから感覚記憶したものはすぐに処置をして、2の「短期記憶」へと移行させなければなりません。一例・・ノートする等。

例えば携帯番号を人から聞いたとき、その直後であれば何とか言えてもしばらくするとほとんど記憶に残っていません。携帯番号なんて使わなければすぐに完全に忘れてしまいますよね。
だからメモをとったりすぐに携帯に入力して記録するわけです。
ここにテストで失敗してしまう最初の落とし穴があります。

つまり、説明を聞いた瞬間にもう分かったつもりになって、練習さえろくにせずテストを受けて失敗してしまうということです。 
これは1の「感覚記憶」か良くてもせいぜい2の「短期記憶」の段階で定着したと思いこんでテストを受けてしまっているのです。


では、1「感覚記憶」に次ぐ2「短期記憶」です。

この短期記憶は一番短い1「感覚記憶」と完全に記憶した3「長期記憶」の中間に位置して、この2つの記憶状態の橋渡しの役目をするものです。2「短期記憶」は一時的な記憶で、15〜30秒位しか持たないといわれています。

ここに大切な点があります。つまり『15〜30秒で記憶したと思った後にもう1度確認してみることです』。最も手軽な方法は覚えた1分後にもう1度だけチェックしてみることです。

この時点で記憶していれば君の記憶は「短期記憶」の域を出つつあるということになります。「短期記憶」の状態の時に繰り返し覚え、覚えたと思ったらその1分後にもう一度チェック。こうして一つ一つを確実に「長期記憶」に変えていくのです。


よく、「繰り返して覚えなさい。」って言われますよね。この時、絶対に面倒だと思わないでくださいね。「今自分は、あやふやな記憶を「長期記憶」に変換しているんだ」と認識してください。

だから、ただ何となく繰り返すのではなく、本当に覚えているのか意識して確認すること。これが大切です。


ほんのちょっとしたことですが、きっと君の役に立つはず。今度のテストの時に是非試してみてくださいね。

posted by 100人の塾長 at 22:59| 全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月24日

社会は暗記する(だけの)教科ではない!

こんにちは。神奈川県相模原市の公立進学塾青木学院の塾長、満森です。


今日は小学生・中学生向けの社会の学習法についてお話しします。

皆さんは社会の学習を「ただ憶えるだけ」と思っていませんか?
得意な人はさておき、苦手な人はその考えを変えてみて欲しいです。

具体的には、以下の二点です。
1.個別に暗記するだけでなく、まとめてつなげて憶える。
2.出題される形式で訓練する。


まず1.について。

一問一答形式は暗記の初歩としては重要です。
青木学院でも生徒諸君に頑張ってもらっています。

しかし、それだけでテストの点数や学ぶ脳の育成につながりやすいでしょうか。
そんなことはありません。
しっかりした先生方の作られるテストほど、一問一答形式の比重は下がります。
定期テストや入試で出される問題は、知識を複合させて解く必要があるのです。

たとえば、

問一 (1)江戸幕府を開いて300年にわたる江戸時代の基礎を作ったのは誰でしょう。

このような単純な問題はあまり出ませんし、成績を上げるポイントにもなりません。
もちろん正解して欲しいですが、その上を意識して勉強して欲しいのです。
それよりも

問二 (2)江戸幕府を開いた人物に関連するのは次の(あ)〜(え)のどれでしょう。

(あ)兵庫の港を整備し、宋との貿易を行った。
(い)勘合符を用いて明との貿易をすすめ、幕府を豊かにした。
(う)東南アジアと貿易をするための朱印状を発行した。
(え)海外の日本人が帰国することを禁止し、鎖国を行った。
このような問題の方が子どもたちの成績を左右します。

点数で60点台より上になかなかいけない生徒たちにとっての関門ですね。


上の例のように出来事・社会状況・人物に関連して問題が設定される場合が多いです。
また、生徒諸君の正解率が落ちるのもそれらの問題です。
これを解決するには、暗記の前に知識を関連づけてとらえる作業が有効です。

たとえば、自分が暗記したい範囲を簡単な図に表すのがわかりやすいです。
マインドマップなどがいい参考になります。
中学生の歴史などなら、大体教科書の見開き1〜2つをまとめるのが適量です。
ポイントは図でまとめることであり、箇条書きや文章にしないことです。
視覚的にイメージで覚えやすくすることと、余分な情報を減らすことがその理由です。

B4のコピー用紙やノートの見開きなどのように広いスペースを用意します。
その中央に、今回まとめるテーマを書き込みます。
テーマの周囲に教科書の太字事項・図表で示されていることを書き込みます。

そして、それらに関連する説明のキーワードを書き込みます。
関係のある事柄についてはそれらを線で結んで印象づけます。
最初に作るときはやや空白が目立つかな?という程度でよいです。
学校や塾の授業、自分が自習したときに新しく知ったことを後から足していきましょう。
そのときも、すでに書き込んであることと関連づけていくことを忘れずに。


さて、2.についてです。

出題される問題の方式を意識するとはどういうことでしょうか。

これは「文章だけで問題を考えない」ということです。

定期テストや入試には、年表・地図・資料を読んで答える問題も出ます。
文字の一問一答だけに頼った学習では、これらの読み取り問題が苦手になります。
つまり、単純な暗記だけでは点数が伸びなくなるわけです。

では、これはどうやって鍛えるのがよいでしょうか。

一番は学校の先生がそこを意識した授業をやってくださっていることです。
が、大人数の生徒たち相手にそこを密着してはやりにくいことでしょう。
そこで実戦形式の問題集で対応することと塾などでの学習が有効です。
(もちろん1.の手順である程度の知識を身につけた上で初めて効果が出ます。
まずはしっかりと関連づけて覚えることが第一歩ですよ!)

生徒にとってのつまずきのポイントを克服するためには、人力が必要です。
そのために学習塾とそのスタッフを利用してもらえればうれしいです。


このように、社会の学習は決して暗記のみによって達成できるものではありません。
なぜ覚えればよいという誤解が生じるかは、「実際の問題を見ていない」からでしょう。

次のテストの点数を上げたいと思ったらまず、前回のテストの問題を見直してみましょう。
そうすれば自分のやらなければいけないことが分かってきます。

これはすべての教科に共通することですので、ぜひ忘れずに!
社会はテストに必要な知識が、毎回全く異なります。
それだけにしっかり学習すれば一発で得意教科に出来るのです。

ぜひ皆さんも社会を得意教科にしましょう。
posted by 100人の塾長 at 22:36| 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月18日

自分に合った勉強法を見つけるポイント

皆さん、こんにちは。石川県かほく市の進学塾寺子屋本楽寺の塾長根保です。


世の中には「勉強法」が溢れかえっています。
私・僕に、ウチの子に、どの勉強法が合っているのだろうか・・・というのは、

誰しも悩むポイントです。
では、自分に合った勉強法を見つけるための方法をお教えしましょう。


私が運営する進学塾寺子屋本楽寺では、必ず最初に問い合わせがあった時に
「テストの答案用紙を持ってきて下さい」とお願いしています。

いつもは説明が面倒なので「学習アドバイスのため」と言っています。


これにはたくさんの理由があるのですが、一番は、

★その生徒の学習状況を知って、適切な塾の利用の仕方をお伝えする

ためです。



私は独立する前、大手塾で9年間、個別指導をしておりました。

個別指導の一番の強みは
「生徒の学習状況と目的に沿ったカリキュラムを立てることができる」ことです。

とはいえ、寺子屋は集団授業形式ですので、個々に合ったカリキュラムを作りませんし、当然作る必要もありません。

できれば学習姿勢は、私の指示を参考にして、自分なりに修正していって欲しいのです。そういう生徒でないと、いわゆる「進学校」と言われている高校に進学した後、しんどい思いをすることになってしまいます。



ですから、最初にテストの答案を見て、

私が授業等で解決できる問題点と、そうでなく自習や宿題をやる機会に身につけてもらう問題点とを、整理するために、答案を見ています。


ある生徒には、自習への呼びかけをこまめにします。

ある生徒には、ノートの書き方をうるさく指導します。

ある生徒には、宿題のやり方をうるさく言います。

ある生徒には、自習中でも雑談をちょびっと話します。


生徒が「勉強に向かう」ためには、
「成績が上がる勉強法を身につける」ためには、
何が必要か…を、私なりに分析した結果、
「答案を見る」ということが最適だと判断したのです。


ですから、集団授業形式のくせに、1科目20点アップとか、5科目で130点アップとか、そういう結果が出せるわけです。



この方法はなんと「個別指導塾の見分け方」にも応用できます。

今、全国では、個別指導乱立の時代ですから、
当然いい加減な個別指導もわんさか存在します。

それを見極めるポイントは、
@最初にどれくらい生徒の苦手なポイントを分析してくれるか
A先生1人に生徒が何名つくか(大手塾に限る)

です。


一番の個別指導のメリットは
「生徒の学習状況に応じたカリキュラムが組める」と言いました。
ですので、本来ならば「1対何人であれば個別」という概念は誤っています。
まず「生徒の学習状況にどこまで踏み込むか」がポイントです。


そこが本当の個別指導を行っているか、ごまかしの個別指導かは、問い合わせ・入塾の時の手続きを見れば、一発で解ります。

★塾長もしくは教室長などの専任スタッフが、最初にしっかりと、テストや学校での問題集等を持って来させて分析するか。

★それに対してどういうカリキュラム(授業進度)が適切かを告げる

ということをしっかり行っているケースは、ご安心してください。本当の個別指導です。
多少、成績が上がらない期間があったとしても、半年〜1年で結果が伴ってきます。


そうでない個別指導は、残念ながら外れです。

たまたま気の合う先生が付いてくれたから、やる気が上がって、成績が上がる…という偶然以外では、成績が上がる要素は全くありませんし、成績が上がってもそれが質の良い学びにつながることは、まずありません。

もちろん、授業中に私語OK・お菓子持ち込みOK・宿題無しという塾なんて論外ですから、注意してください。


ちょっと「テストの答案を見る」話からは離れますが、もうひとつのポイントについて。

個別指導は原則、「ど素人」の学生講師が付きます。

ですが、個人塾では教務に抜群に秀でた塾長がやっていることが多いので、そういう塾でしたら、先生1人に何名生徒がついていても、充分個別指導のメリットは活かされます。

ですから、大手塾に限っては「1対何名か」は、是非こだわって欲しいポイントです。
個人的には1対2が金沢大学レベルの学生に面倒が見ることが出来る限界だと思っています。


学生講師だから成績が上がらない…は、ウソです。

学生だったら面倒見切れないような仕組みで運営されていないか…が正解です。

ですから、指導時間を人数で割って、30分以下でしたら、まぁ外れと見て間違いはありません。


個別指導と言いながら、
アルバイトの学生(=素人)が、1対10くらいで授業するとか、
毎回来るたびに先生が変わる…というところですとか、
先生と通塾中の生徒が連絡先を交換しているケースもあるんですよ。

当然そんなところは、教室への指導報告なんてしていませんでしょうし、先生たちを集めて研修やミーティングをしていることも無いでしょう。

すごいでしょ?このテキトーさ。


個別指導の場合、指導が適切かどうか、
保護者の方でも確認できる方法がひとつあります。

生徒のテキストorノートを見せてもらってください。

生徒が間違っていた問題に対して、どれくらいフォローが入っているかを見てください。


特に×になっているところを、生徒が赤で答えを書きなおしているだけ…でしたら、ろくなフォローが行われていない証拠です。


それだけでなく、解き直しをさせていたり、
類題を豊富に出していたり、

そういう痕跡があれば、指導力がある講師です。


私の塾での取り組み、個別指導塾の見抜き方と2つのお話しをしてきました。
共通点は、そう。

★テストの解答用紙は、その生徒の学習状況をよく表している

ということです。


生徒の話を聞いていると、成績が優秀な生徒でも
「何を勉強していいのか解らない」なんてことを言います。

こういう生徒はたいてい、
テストの復習を行っていない=テスト前だけ勉強している

という傾向があります。
当然、テストでの目標意識は点数しかありません。

特に受験勉強に取り組む際には、

★今までのテストの答案用紙をチェックしあげる
★もしくは自分でチェックさせる

ということが、まずは大事になってくるでしょう。
保護者や生徒で解らない時は、積極的に塾を利用して聞きましょうね。


どんな勉強法も、それなりに一理あります。
生徒の置かれている情況によって、いい効果を生む時もあれば、逆効果になる時もあります。


まず隗より始めよ・・・ではありませんが、
「まずはテストの見直しから始めよ」
posted by 100人の塾長 at 17:17| 全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月15日

応用問題をいかに短期間で解けるようにするか

岡山市の“朝日高校受験専門塾”進学塾サンライズ塾長の小崎です。

難関校の入試問題は、たいてい記述が多く、応用問題ばかり。中には、今まで解いたことのないような問題が出題されることがあるよね。

僕は、応用問題をいかに短期間で解けるようにするかに重点を置いて指導しているので、もし君が、難関校合格を目指して今から頑張ろうとしているなら、これから話すことはきっと役に立つはず!もちろん、短期間でやるからといって、初めて勉強する単元にも関わらず、いきなり応用問題をするわけではないよ。

応用問題が短期間で解けるようになるコツ、それは、基本の原理やしくみをしっかりと理解することなんだ。

よく、「基本が分かれば、応用問題が解ける」というけれど、これを「教科書を読みまくったり、基本問題を解きまくったりすれば、応用問題が解けるようになる」と誤解する人がいる。いや、そうじゃない。

「基本」というのは、「基本問題」ではなく、数学なら定理や公式、あるいは「速さとは何か」「なぜ通分するのか」ということなんだ。
応用問題で用いられる考え方は、この「基本」から生まれたもので、難関校の出題者は、問題を通じて君たちがいかにその「基本」が分かっているのかを、試しているんだ。
だから、応用問題がわからなくなった時は、基本に立ち戻って考えることも大事なんだよ。

ところで、基本を理解するということは、どういうことか。
このことをよく分かっていない人がいるので、具体的に例を挙げて説明しよう。

「速さとは何ですか?説明して下さい。」
ある生徒はこう答えました。
「距離÷時間です。」

・・・それは、速さの求め方。

速さとはどういうものなのか、説明できないといけないよ。
おそらく、速さの求め方を一生懸命覚えたんだろうね。
基本問題を解くには、それでOKだ。

でも、応用問題を解くためには、それでは×。
速さとは、「一定の時間あたりに進む距離」
時速3qは、1時間に3q進んだという意味だよね。
では、2時間で10q進んだら、速さは?
そう、1時間で5q進むことになるから時速5q!
じゃあ、時速2qの速さで、3時間進んだ時の距離は?
1時間で2qだから、3時間では6qだ。

最後にもう一つ、6qの距離を時速2qで進んだ時にかかる時間は?
1時間で2q進むのだから、6qでは、3時間!
これで速さに関しての基本勉強は終わり!


そして、これを応用すると、次の問題も解けるようになる。

「4 km離れた場所からAとBが向かい合って同時に歩き出しました。Aは分速500m、Bは分速300mです。何分後に出会いますか。」

この問題の解き方で、よく解説に(出会うまでの時間)=(距離)÷(速さの和)だと書いてあるのを目にする。
でも、その前に、なぜそういった式になるのかをよく理解してから使って欲しい。
1分後のAとBの進んだ距離を考えてごらん?
Aは500m、Bは300m進むことになる。ということは、1分間に2人で800m進むことになり、2人が出会ったとき、2人の進んだ距離の合計は4qになるのだから、問題文は「4qを分速800mで進むと何分かかるか」と考えられる。だから、答えは5分だね。

分数についても同様に考えてみよう。
分数の考え方は、2通りある。
1つ目は、○分の△.jpg は、「1を○個に分けた△個分」と考えること。

2分の1.jpg は、1を2つに分けた大きさということになる。

同様に2分の1.jpg は1を3つに分けた2つ分ということになる。

そして、2つ目は、割り算での考え方。
2分の1.jpg は、1を2つに分けた大きさだから、式で表すと1÷2だよね。

3分の2.jpg なら2÷3だ。

こういったことを身につければ、応用問題が解ける。
例えば、「分母が7で、3.14に最も近い分数はいくつになるか?」という問題。
分子がいくつになるのかを考えるわけだけど、もう一度、基本に戻ろう。
分数は、分子の数を、分母の数に分けた大きさだということ。
この場合は、分子の数を7つに分けた数が、3.14に近いということだから、分子を□とすると、
□÷7=3.14
□=21.98
分子は、整数だから、21.98に最も近い整数を考えて、22。だから答えは7分の22.jpg

さて、インプットした知識は、必ずアウトプットしないと本当に身に付いたとは言えない。
僕は、よく生徒たちに「説明できないものは、理解できたことにならない。」と言っている。説明ができる子とできない子とでは、将来大きな差になって表れるからだ。

中学生で、いわゆる「頭のいい子」と言われている子でも、小学校の算数が本当に理解できている子は少ない。

「本当に頭のいい子」は、説明がきちんとできるんだ。
説明の仕方も色々あるので、自分にあった方法でやってみて。
一つは、ノートに書き出すこと。まとめ方は、別に美しくなくてもいい。
書き出すことで頭の中を整理するんだ。

もう一つは、その日勉強したことを、お家の人に説明するんだ。友達でもいいよ。
君が先生で、お家の人が生徒役だ。ポイントは、「楽しく」やること。
君「今日は分数を説明します。」
相手「分数って何ですか?」
君「分数とは・・・(以下省略)」
といった具合に。

相手役の人は、時々「どうしてその式になるのですか?」「○○の部分をもう少し詳しく教えてください」と説明を求めてもOK。

さあ、原理やしくみがわかったら、応用問題を解いてみよう!
これまで習ったことで解けるから、落ち着いて。
1問目で分からなくても、解説を見て、「なぜ〜になるのか」を考えるんだ。
そして、理解したらすぐに、類題を2、3問だけでいいから解いてごらん。
解けば、解く程に自信が生まれてくるよ。

posted by 100人の塾長 at 11:07| 算数 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月13日

音読の重要性

みなさん、こんにちは。埼玉県深谷市の彩北進学塾、塾長蓮です。

彩北進学塾では、国語でも英語でも数学でもそうですが、授業中に文章を音読してもらっています。

しかし、上手に読めないケースが多々あります。また、小さい声で読む生徒も多いです。「声に出して読む」訓練をほとんどしてこなかったのが原因だと思います。そして、この音読がどれだけスラスラなのかと学力が多少なりとも関係しているように感じています。
 
ただ、最初から音読は簡単に出来るものではありません。音読することは非常に難しいことでもあります。音読するためには、それぞれの漢字や単語、語句、まとまりといったものがわかっていなければおかしな読み方になってしまうからです。

では、いったい何が大事なのでしょうか。

それは極端に言えば幼少期からしっかり遊ぶことと会話をすることです。遊びの中でコミュニケーションを学ぶと同時にたくさんの語彙を知らず知らずのうちに学んでいきます。さらに元気よく遊ぶことで、お腹から声を出す訓練にもなっています。外で思いっきり友達と遊ぶことで学ぶことはとてもたくさんあります。さらに言えば、音読だけでなく、遊びの中で我慢や集中力を身につけることにもなります。遊びをせずに勉強ばかりしているとえてして何か大事なものを身につけないままになってしまうケースがあると思います。


さて、音読に戻りますが、幼少期にそういったことをしてこなかった場合でも、じゃああきらめてください、というわけではありません。最初のうちは黙読でもいいですから徐々に声を出して読むようにしていくことが大事です。慣れないうちは途中でつっかかったり変なところで切ったり、全然漢字が読めなかったりという状態になると思います。それでも繰り返し声を出して読むことによって、リズムが生まれてくるはずです。

ただし、意味が分からないものはそのままにしないでください。意味が理解できて初めてまとまりとしてとらえることが出来るからです。最近は辞書を引く習慣がほぼないに等しいようですが、語彙力を増やすことはどの教科に対しても、また生涯、学習する上でも何よりも大事なことなのです。お子様が小さいうちは教えてあげていいと思いますが、ある程度辞書を引ける年齢になったら自分で調べることで、他の発見も出来たりするはずです。

音読は体力も使います。お腹から声をだすことはきわめて疲れる作業なのです。べ今日は体力勝負のところもありますから音読はまさに一石二鳥と言えるでしょう。


音読がある程度身についてきたら注意することがあります。それは、なるべく大きな声で読むということです。自分で発生した音を自分の耳でしっかり聞く、このことが重要です。私が中学生のとき、英語の勉強はほぼ音読のみでした。家で自分の部屋で読むのですが、別の部屋にいる家族にも聞こえていましたので最初のうちはビックリされましたが、それでも関係なくその作業をやり続けたのです。もちろん、国語もそうでした。それだけでも勉強は断然結果が違ってくるはずです。


特に中学生の定期テストには効果的です。試験範囲が出たら、範囲の単元の文章は試験当日までにできるだけ多く何回も読むことをおすすめします。100回読めたら言うことなしですが、そこまでは難しいでしょうから、とにかく何度も何度も音読する。

特に英語は音の言語ですので読めなければ出来るようになりません。読めないうちは書きも出来ませんし、意味も覚えられないでしょう。英語が苦手な子には特に有効かと思います。読んでいるうちに不思議と分からないものが分かるようになったりします。そしてそれが暗記できるくらいになればもう完璧ですね。

国語でも読むことによって日本語というものを学ぶことが出来ますし、古文などは、この方法が最も適しているのではないでしょうか?古文が出来ない生徒はだいたい読むことも出来ません。古文に慣れるということにおいて音読は最も効果があるものと思います。

私の塾では生徒たちに授業中にできるだけ音読を大きな声でさせています。家でも勉強するときには音読をするように指導しています。音が持っている意味や効果は意外に大きいものですのでぜひ試してみてください。

posted by 100人の塾長 at 12:31| Comment(0) | 全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月09日

算数が苦手な子へ 〜算数は覚えて真似する教科〜

こんにちは千葉県柏市の中学受験専門塾KJゼミナール塾長のTeacher-Kです。

中学受験おいて「算数が苦手でなかなか…」と思っている子も多いのではないでしょうか?
これには大きな原因があります。

まず、「算数は解いて解いて解きまくって成績を伸ばす教科」「考えて答えを出す教科」という認識を捨ててください。

この2つは間違ってはいないのですが、「算数ができる子にとっては」ということです。
いくら練習をしても根本的に解き方がわからなければ練習は無意味ですし、基礎部分が定着していなければ「考えて」なんてことは皆無です。

それでは、どのようにしたら良いのかということですが、
「授業中にやった問題を先生と全く同じ形で解くことができるか」
ということに全神経を集中させてください。
「やった問題」というところにポイントがあるのですが、それはあとでということで。


さて、どうやったらやった問題を先生と全く同じ形で解くことができるかとういうことですが、そのためには、まず、「覚える作業」が必要です。
いきなり問題を解き始めるのではなく、まずは、じっくりと解き方を覚える時間が必要になります。
「解いて覚える」ではなく、「覚えてから解く」のです。
勿論、答えを覚えるのではなく、「解き方の順序」をしっかりと覚えることが重要。
全て丸暗記して下さいね。

そのときに問題文も覚えてしまいましょう。
これをしっかりとやることで、どんな問題のときにどのような解き方をするのかを覚えることができます。


さて、覚えることができたら、次は解く作業に入るのですが、ここにもポイントがあります。
「真似をする」
ということです。

私たちは数学者ではありませんから、解き方を考えるなんてことはできません。
素直に「真似」をすればよいのです。
「真似してるけど解けないよ〜」なんて言葉が聞こえそうですが、
算数が苦手な子ほど、実はこの「真似」ができていません。


例えば、つるかめ算で「50円のAと80円のBを合わせて20個買ったら1150円だった。Bは何個買いましたか。」という問題があったとき、解き方としては、

50円×20個=1000円…全部Aだったら

1150円−1000円=150円…実際との差

80円−50円=30円…1個ずつの差

150円÷30円=5個…Bの個数

となりますが、

算数が苦手な子の解き方を見ていると、

50×20=1000

1150−1000=150

80−50=30

150÷30=5

となっています。


確かに正解ではあるのですが、一目瞭然ですよね。
単位や説明書きがない。
これは「真似」ではありません。全て正確にしっかりと書くことが大切なのです。


勿論、「真似」をする為にはお手本がないとできませんよね。
なので、前述したとおり、「やった問題」に限定しているのです。
「やっていない問題」ができるようになる為には、まずは「やった問題」が確実にできるようになっていなければいけません。

なので、授業中の板書は、正確にノートに写してくださいね。
もし、順序がわからなくなってしまいそうなら、自分で順番をつけておくなどして、後で見たときにわかるようにしておきましょう。


「算数は覚える教科」
「全て正確に真似をする」
この2点を心掛けて、算数のレベルアップを図っていきましょう!


追伸

「計算ができない」というのは算数では致命傷です。計算の仕方をしっかりと覚え、1日10問程度で構いませんので、計算練習は毎日欠かさず行いましょう。

posted by 100人の塾長 at 00:21| Comment(0) | 算数 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月04日

比例のグラフの書き方

埼玉県深谷市とだか塾 トッティ先生の三分クッキング。


今日は、比例のグラフを三分で書けるルールをおしえます!

そのルールとは!「グラフはすごろく」
なんだそりゃ?

すごろくって知ってますか?
サイコロを振って、出た目の数だけ進んで行くっていうゲーム。
それを使うと簡単に比例のグラフが書けちゃいます。
それじゃあ、ルールをおしえるよ。メモしてね!

1.スタートは原点0
2.分母の数字の分だけ、横(プラスなら右、マイナスなら左)に進みます。
3.分子の数字の分だけ、縦(プラスなら上、マイナスなら下)に進みます。
4.スタート地点と結んであげます。

これだけです。

y=3分の2x分数2.bmp

のグラフを書けって言われたらどうする? ちょっとやってみましょうか。

まず 1.スタートは原点だったよね。
次に 2.分母が+3だから、横(右)に3つ進めばいいよね。
そして3.分子が+2だから、縦(上)に2つ進むんだよね。
最後に4.原点と双六のように動いた点を結べばいいんだね。


こんな感じ。



y=3分の2x2.bmp



次は、y-2x

よく見て!さっきと違って分数じゃないねえ?
どうしますか?
小学校のときに整数を分数にするやり方を習ったよね。それを使おうよ。
整数の2を分数で表すと・・・

y=1分の2分数2.bmp

と表せるぞ!
あとは、先ほどのルールに則って書けるよね。

ちなみに答えは


Y=2X2.bmp


最後に、こんなのはどう?  

y=−2分の1分数2.bmp

このグラフはどう書けばいいのかなあ?

ルールどおりやってみようか!

1.原点がスタート。
2.この場合、分母は+2で考えよう。だから横(右)に2つ進みます。
3.分子を−1と考えて、縦(下)に1つすすませてみよう。
4.最後に原点と結んでみよう。

答えはこんな感じです

y=-2分の1x2.bmp

さて、どうですか?
グラフの書き方ってすごくカンタンですよね。
数学ってルールがわかればすごく楽しいし、簡単なんだよ。
今回はこれで終了。
あとは、みんなの持っている問題集で練習を積んでください。

それじゃあ、またね〜!
posted by 100人の塾長 at 14:03| Comment(0) | 数学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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