彩北進学塾では、国語でも英語でも数学でもそうですが、授業中に文章を音読してもらっています。
しかし、上手に読めないケースが多々あります。また、小さい声で読む生徒も多いです。「声に出して読む」訓練をほとんどしてこなかったのが原因だと思います。そして、この音読がどれだけスラスラなのかと学力が多少なりとも関係しているように感じています。
ただ、最初から音読は簡単に出来るものではありません。音読することは非常に難しいことでもあります。音読するためには、それぞれの漢字や単語、語句、まとまりといったものがわかっていなければおかしな読み方になってしまうからです。
では、いったい何が大事なのでしょうか。
それは極端に言えば幼少期からしっかり遊ぶことと会話をすることです。遊びの中でコミュニケーションを学ぶと同時にたくさんの語彙を知らず知らずのうちに学んでいきます。さらに元気よく遊ぶことで、お腹から声を出す訓練にもなっています。外で思いっきり友達と遊ぶことで学ぶことはとてもたくさんあります。さらに言えば、音読だけでなく、遊びの中で我慢や集中力を身につけることにもなります。遊びをせずに勉強ばかりしているとえてして何か大事なものを身につけないままになってしまうケースがあると思います。
さて、音読に戻りますが、幼少期にそういったことをしてこなかった場合でも、じゃああきらめてください、というわけではありません。最初のうちは黙読でもいいですから徐々に声を出して読むようにしていくことが大事です。慣れないうちは途中でつっかかったり変なところで切ったり、全然漢字が読めなかったりという状態になると思います。それでも繰り返し声を出して読むことによって、リズムが生まれてくるはずです。
ただし、意味が分からないものはそのままにしないでください。意味が理解できて初めてまとまりとしてとらえることが出来るからです。最近は辞書を引く習慣がほぼないに等しいようですが、語彙力を増やすことはどの教科に対しても、また生涯、学習する上でも何よりも大事なことなのです。お子様が小さいうちは教えてあげていいと思いますが、ある程度辞書を引ける年齢になったら自分で調べることで、他の発見も出来たりするはずです。
音読は体力も使います。お腹から声をだすことはきわめて疲れる作業なのです。べ今日は体力勝負のところもありますから音読はまさに一石二鳥と言えるでしょう。
音読がある程度身についてきたら注意することがあります。それは、なるべく大きな声で読むということです。自分で発生した音を自分の耳でしっかり聞く、このことが重要です。私が中学生のとき、英語の勉強はほぼ音読のみでした。家で自分の部屋で読むのですが、別の部屋にいる家族にも聞こえていましたので最初のうちはビックリされましたが、それでも関係なくその作業をやり続けたのです。もちろん、国語もそうでした。それだけでも勉強は断然結果が違ってくるはずです。
特に中学生の定期テストには効果的です。試験範囲が出たら、範囲の単元の文章は試験当日までにできるだけ多く何回も読むことをおすすめします。100回読めたら言うことなしですが、そこまでは難しいでしょうから、とにかく何度も何度も音読する。
特に英語は音の言語ですので読めなければ出来るようになりません。読めないうちは書きも出来ませんし、意味も覚えられないでしょう。英語が苦手な子には特に有効かと思います。読んでいるうちに不思議と分からないものが分かるようになったりします。そしてそれが暗記できるくらいになればもう完璧ですね。
国語でも読むことによって日本語というものを学ぶことが出来ますし、古文などは、この方法が最も適しているのではないでしょうか?古文が出来ない生徒はだいたい読むことも出来ません。古文に慣れるということにおいて音読は最も効果があるものと思います。
私の塾では生徒たちに授業中にできるだけ音読を大きな声でさせています。家でも勉強するときには音読をするように指導しています。音が持っている意味や効果は意外に大きいものですのでぜひ試してみてください。